カーテン選びのコツ
お部屋にカーテンを合わせる時、「どんなカーテンが合うのかな?」と想像すると、多くの方がまず“色”について考えると思います。「黄色系で明るくしよう」とか「深い紺で落ち着いた感じにしよう」とか・・・。
カーテンを選ぶ初めの段階で、実はこの“色の想像”がじゃまになる時があります。「何色にしようかな?」と、色相ばかり考えすぎていると他の事が疎かになりがちです。ですから、「何色」と決めてかからずに、まずはこのページを読んで下さい!
まずはテイストから
まずはじめに、“どんな部屋にしたいか”です。シンプルモダン、アジアン、クラシック・・・。いろいろジャンル分けはありますが、どれかにきっぱり決れば簡単です。しかし実際は、どこにも属さないようなオーソドックスな部屋づくりをされていて、そこにカーテンで自分好みに仕上ていくような場合がほとんどです。
ミディアムオーク色のフローリングに、アイボリーの無地の壁、家具もよくある普通の木製。
「この部屋にはどんなカーテンが合いますか?」と聞かれると一番困ります。
その様な時にはまず、「どうしたいか」をハッキリさせる事です。
- 「部屋が広く見える様に、スッキリさせたい」
- 「明るく見える様にしたい」
- 「豪華な感じにしたい」
これらも立派な“テイスト”です。まずはそこからはじめましょう。テーマが決れば後は簡単です。この時に出来るだけ、色は決めない方が後が簡単です。なぜなら意外な色が合う事があっても、はじめに決めてかかると見逃してしまうからです。しかし全体を何かの色で統一させようとする場合や、嫌いな色があったりする場合は別です。
“彩度”をよく考えて
カーテンをお店やカタログで見た時、一番重要視しなければならないのは、先述の“テイスト”です。部屋のイメージに合うカーテンかどうか、パッと見の“感じ”が重要で、理屈だと大変な情報処理が必要になってしまいますが、これはあくまでもパッと見の“感じ”で十分です。見た感じで「クラシックだな」とか「シンプルだな」とか、それだけです。それが自分のテーマや部屋のテイストに合っていれば、そのカーテンは購入候補になります。ただ、テイストがはっきりしているカーテンもそんなに多くはないので、これだけでは選びきれません。
次に大事な事は、彩度です。“鮮やかな”とか“くすんだ”などと表現する、色の要素の1つです。「色の3要素」には、色相(赤、青、黄など)・明度(明るい、暗い)・濃度(濃い、薄い)とありますが、この明度と濃度を合わせた物が“彩度”です。難しい事は抜きにして、実例で説明していきます。
例えば、左の写真のような鮮やかな色のソファーや小物が多い部屋。子供部屋が良い例で、おもちゃなどは鮮やかな色が多いので、部屋全体の彩度が高く、高彩度の鮮やかな色のカーテンが合います。その反対は和室です。畳やふすまなど、部屋全体の彩度が低く、低彩度のカーテンが合います。これらは極端な例だとしても、この事を応用して、アジアンテイストやナチュラルな家具の部屋には“低彩度”のカーテンを、ビタミンカラーを多用したポップな部屋や、輝度の強い(艶やかな)マホガニーの家具などを多用した部屋などには“高彩度”のカーテンを合わせていけばよいのです。
色をコーディネートする方法
コーディネートの理論には色々な手法がありますが、“トーン・イン・トーン”と“トーン・オン・トーン”という物があります。カーテンのコーディネートにおいて、これさえ知っていれば大体失敗する事はありません。もちろん、実際にはこれに当てはまらないコーディネートもありますが、まずこれが基本になりますので、必ず覚えておいて下さい。ちょっとややこしいですが、難いことはないですよ。
“トーン”とは先述の“彩度”の事です。この彩度と色相(赤、青、黄など)との組合せを利用してコーディネートしていく配色方法です。
“トーン・イン・トーン”とは、一定のトーンで統一して、色相で変化をつける手法の事を言います。先述の子供部屋や和室の例はまさに“トーン・イン・トーン”です。乱暴な言い方ですが、ある程度バラバラな色でも、トーンさえ合っていれば調和が取れてしまう事が多いです。
一方、“トーン・オン・トーン”とは、色相を一定にして、トーン(彩度)で変化をつけていく手法です。例えば「部屋全体をブルー系で統一したい」などという場合に使います。
ここまで読んで気づいた方もいるかも知れませんが、どちらの手法も、色相か彩度のどちらかは変化させています。つまり、どちらも合ってしまっているのは好ましくありません。全く同じ生地でカーテンとベッドカバーや椅子のカバリングなどを作る場合などは良いのですが、同じようでもちょっと違うというのが一番良くありません。同 じ色の場合、せめて多少トーンを違えた方が良いと思います。例えば、グリーンのソファーがあって、その奥にカーテンを吊るす場合、もし仮に同じ様なグリーンのカーテンにしてしまうと、同化してしまってどちらもボケてしまいますね。色をかえるかトーンを変えると良いでしょう。
無地のカーテン
一般家庭のリビングで、無地のカーテンが合うケースは、そう多くはありません。ゴチャゴチャした自宅のリビングから、たまにホテルのスッキリしたお部屋に行くと、「シンプルでおしゃれだな」とか思うのもうなずけます。日本のホテルのカーテンは、たいてい無地の物が掛かっているものです。
実はこの、“ホテルの部屋と一般家庭の違い”というところに無地の似合う要素のポイントがあります。
まず第1にホテルの部屋には、物が少ない。よく、「うちは物がゴチャゴチャと多いからカーテンくらいは無地がいいな」と言う方がいますが、ゴチャゴチャした部屋に無地は合わせにくい。合う物があったとしてもかなり濃い色になってしまったりして、よけいに圧迫感がでてしまいます。物が少ないホテルの部屋だからこそ、無地のカーテンが似合います。同様に部屋が広くて、物が少なくて、窓が大きい部屋、そんな部屋には無地が合わせやすいと言えます。
それから、壁に柄のある壁紙を使っている場合は、たいていは無地の物は合いません。この場合の多くは先述の“トーン・オン・トーン配色”で対応できます。壁紙と同系色で濃い色をカーテンに持ってくるとたいていは合います。気をつけなければならない事は、壁に同化させすぎない事です。柄のある壁紙に限った事では無いのですが、同化させすぎると、ぼやけてしまいます。あまり濃くしたくない場合は、反対色を持って来るのも良いでしょう。この場合のトーンは壁と合わせます。
遮光性について
ここで、遮光性についても少し触れておきます。遮光性(光をさえぎって、部屋を暗くする)も、生地が厚ければ高いとは言えません。やはりこれも、糸の密度が高い方が有利です。しかし遮光性は、それよりも「色の濃さ」が重要で、濃色系の紺やこげ茶、ワインレッドなどのカーテンは遮光性が高くなります。
反対に、いくら生地の厚みがあっても、アイボリーや淡い黄色などの明るい色は、遮光性が低くなります。
遮光カーテンはこの性質を利用して、黒い糸を織りこんでいます。その為、色がくすんだ物も多いです。最近は技術も進化して、黒い糸を表に出ない様に織り上げ、発色のきれいな遮光カーテンも多くなりましたが、まだまだデザインは普通のカーテンには及ばないので、寝室などのどうしても遮光が必要で、なおかつお客さんが入るような場所では無い所だけに使うのにとどめておいた方が良いでしょう。
また、普通のカーテンの裏側に、ウレタンなどでコーティングされたものもあります。これは発色も良く、完全な遮光に出来ますが、直射日光と洗濯によって剥がれてくる事もあるので、寿命は短くなってしまうと思って下さい。
カーテンの素材について、解説いたします。
おそらく、ほとんどの方がカーテンの素材なんて気にしていないと思います。ですが、素材の違いによってお手入れ方法や、特性がまったく違うので、注意が必要です。
カーテンに使われる素材は、綿や麻などの自然素材と、ポリエステルやアクリルなどの化学繊維との2つに分かれます。ここではそれぞれの特性についてお話します。
カーテンの素材 | 自然素材 | 化学繊維 |
---|---|---|
代表的な素材 | 綿、麻、シルク など | ポリエステル、アクリル など |
代表的な製品 | 多くの輸入物。特にプリントに多い | 国産カーテンのほとんど |
寸法特性 | 伸縮が多い | 伸縮が少ない |
洗濯方法 | ドライクリーニング | 家庭の洗濯機で洗濯OK |
防炎加工 | できないものが多い | ほとんどの物でできる |
ここまで聞くと、「化学繊維の方がどう見ても良いなぁ」と、ほとんどの人が感じると思います。現に多くのメーカーやお店ではここまでしか話しません。しかし、それ以外にも重要な特性があるので下の表をご覧ください。
カーテンの素材 | 自然素材 | 化学繊維 |
---|---|---|
代表的な素材 | 綿、麻、シルク など | ポリエステル、アクリル など |
静電気 | 起こりにくい ↓ ホコリが付きにくい ↓ 付いても叩けば落ちる |
起こりやすい ↓ ホコリが付きやすい ↓ 水で洗わなければ落ちない |
洗濯(クリーニング)の頻度 | 7年から10年に1回 ↓ 生地が傷みにくい |
1年に1回 ↓ 生地が傷みやすい |
色合い | 自然な発色が出やすい | 光沢感が出たり、強い色になりやすい それを避けようとすると、色がくすみやすい |
どうですか、ここまで聞けば自然素材にも良いところがたくさんある事がお分かりいただけるはず。 重要なのは静電気の問題で、自然素材は叩いたり、掃除機をかけたりすればほとんどのホコリはきれいに除去されてしまいます。ですから、洗濯が面倒な人は自然素材を選んだほうがいいですし、反対に洗濯しなければ気がすまない人は化繊を選べばいいでしょう。
ちなみに“レーヨン”は、原料も製造工程も自然素材と化学繊維の中間的な成り立ちなので、特性も中間的になります。現在では、単独でレーヨン100%で使われている生地はほとんどなく、綿やポリエステルに混色されているので、その混色される繊維によってその生地の特性が決まります。
店頭で何の説明もなく、ウォッシャブルのカーテンとそうでないものが掛かっていたら、ほとんどの方がウォッシャブルのカーテンを選ぶと思いますが、そうでない自然素材にも良いところがたくさんあります。カーテンを選ぶときには、素材にも注目してください。
最近ではそのバリエーションも増え、いろいろな物がありますが、窓によって向き不向きがあります。しかしながらメーカーは長所は言っても短所はあまり言いませんよね(仕方の無い事だけど・・・)細かい仕様やバリエーションなどはメーカーのホームページを観ていただくとして、ここではそれぞれの長所短所、向き不向きを含めた特徴を説明します。
窓枠の内側 に取り付けるのに向いているのは、ブラインド(金属製)、プリーツスクリーン
外側に取り付けるのに向いているのはロールスクリーン
その他の物はどちらでもOKです。この事だけ頭に入れておいて下さい。
ブラインド
色々なタイプがありますが、ここで最も一般的な金属製のヨコ型ブラインドです。
特徴
窓枠の中にスッキリとおさまり、昼間は光を取り入れながら目隠しをして、夜は視線をシャットアウト。1台でカーテンとレースの役割を果たす。部屋を広く使いたい時や、廊下などの出っ張らせたくない場所にも最適です。また、水周りにも最適で、酸化チタンコートされている物など、カビにくい物があります。
長所
- 目隠ししながら風を入れられる(他にはありません)
- 値段が安い
- 天窓用、変形窓用などバリエーションも多く、ほとんどの窓に付けられる
短所
- 金属なので冷たい感じがする
「ブラインドは掃除が大変だから嫌い」っていう人、多いですよね。たぶん経験的に、十数年使ってボロボロになった物をどこかで見たか、または掃除をしようとして大変な思いをしたとか・・・。最近は様々な加工によって汚れにくくなったり、カビにくくなったり、また汚れても掃除がしやすくなったりしています。また、値段も他の物に比べると安いので、6~10年で交換しながら使うのがお勧めです。特に浴室はコレしかありません。
ウッドブラインド
特徴
カントリー調や、重厚さを出したい部屋づくりにはもってこい。まだまだ高価な部類に入りますが、だいぶ安くはなってきました。羽巾は25mmと50mmの2種類があります。25mmの中でも小型な物は普通のブラインドと同じメカを使っているので操作性が良いが、50mmなど大型な物は、上げ下げが大変です。
長所
- 何といっても木のぬくもりと重厚感!
- スラット(羽)とラダーテープの組合せで、バリエーションも豊富
短所
- スラットが金属のブラインドのように断面が湾曲していないので、すきまが多い
- 大きい窓は上げ下げが大変
- 巾の広い窓は、細かく何台かに分けなければならないので、より割高になる
- 多少部屋が暗くなる
コレは実際に重量もかなりあるので、当然重厚感もあります。反対に軽くしたい場合は、バンブー(竹製)の物もあり、少し値段も安いので、密かに人気があります。和室にもバンブーがお勧め。
軽くて丈夫。上げ下げも簡単で健康にもGood !
50mmのブラインド
特徴
最近人気が急上昇している、羽巾50mmの金属製のブラインドで、ニチベイからはクラオ・クラオグランツ、タチカワからはアフタービートエグゼという製品名で出ています。(アフタービートエグゼはヘッドボックスとボトムレールが木製になります)50mmのウッドブラインドと同じ羽巾で、同様にスラットとテープの色の組合せを楽しめます。ウッドよりもカジュアルになります。
長所
- 値段が安い
- スラットとテープの組合せで、いろいろな部屋に合う
短所
- 金属製なので、冷たい感じがする(逆にシャープな感じを出したい時には良いのですが・・・)
構造や素材は普通のブラインドと大差ないのですが、巾が広いのと、ラダーテープのアクセントによって、部屋のイメージは大違い!ポップな原色を多用した、50年代のアメリカンカジュアルにはこれ以上マッチするものはありません。
また、最近流行りのシャープモダンのインテリアにもGoodです。その他にカントリーなど色々なタイプの部屋にマッチします。値段も安いし、これはおすすめ!
ロールスクリーン
特徴
原則的に窓枠の正面に取付けます。色々な用途があり、間仕切りとしてもよく使われます。例えば、キッチンの入口や、リビングに階段の入口がある場合など。
長所
- 全開時にコンパクトになる
- まっ平の生地なので、廊下などにも良く、すごくシンプルにしたい部屋にも良い
短所
- 巻き上げる時に、1mmでもズレると偏ってしまって×
- 開けるか、閉めるかのどちらかなので、厚地の場合は別にレースが必要
- 風を入れたい場合は、全開にするしかない
普通のお部屋に使うより、キッチン周りや、廊下、階段などに向いています。浴室用もありますが、コレはカビやすいのでお勧めできません。また、ウォッシャブルの物も、分解して正確に組み直すのもかなり難しいので、分解はお勧めできません。
プリーツスクリーン
特徴
最近人気が高まっているプリーツスクリーン。和室に障子を付けないで、代わりにコレを付けてモダンな和室に仕上げる、というような使い方が多いです。和紙製の和室向きの物から洋風の物、それから下段の写真のような、上部を開けるトップオープンタイムもあります。
長所
- 窓枠内にスッキリ収まる
- 値段もわりと安い
- 和紙製の物は、風合が他に無い良さがある(防炎加工されています)
短所
- ロールスクリーンと同じ様に、風を入れたい時は、全開にするしかない
玄関や廊下などの小窓にも合います。窓枠内に収まるので出っ張らないうえ、柔らかさや温かみもあるので、暗く、冷たくなりがちな所にもお勧め。また、和紙に天然の杉の皮などを漉きこんだ物もあり、天然の杉の持つ、抗菌・防カビ効果が期待できます。
カーテンと同じ生地を使って作り、チェーンなどの操作によって上げ下げする物を総称して“ローマンシェード”と言います。住宅の作りが、小さい窓を数多く付けるする様になり、すべてカーテンにすると、くどくなってしまうという時などに、よく使われます。これもまた、スタイルのバリエーションが豊富です。
フラットスタイル
特徴
生地が自然にたたまれていくタイプ。プレーンシェードとも言います。一般的には、大きい窓にカーテンを付け、その横の小さい窓に同じ生地でこのシェードを付ける、という使い方をします。生地の折り目に沿ってたたまれていくので、たたみグせが付きにくい生地には不向きです。(遮光カーテンは最も不向き)
長所
- まっ平なので、スッキリして圧迫感がでない
- カーテンとの組合せによって、部屋の中にリズム感が出る
短所
- 折り目の付きにくい、たたみグせの付きにくい生地には不向き
- 巾の細い窓(40cm以下)の窓も、くせが付きにくい
- 耐久性がカーテンに比べると落ちる
ここ数年で急激に人気が高まり、定着しました。レースのシェードは、写真などで見るときれいに見えますが、実際には生地の裏側に、吊り上げるひもやそれを通すリングなどが全て見えてしまうので、「思ったよりキレイにいかなかった」という事が多いです。それから、普通のカーテンに比べると洗濯が面倒なので、そういう意味でもレースは普通のヒダを取るタイプにしておいて、厚地をシェードにする、という組合せがベストでしょう。大きさは、巾4mでも1台で作れますが、重かったり大きかったりすると壊れやすいので、大きい窓にはカーテンを、小さい窓にシェードという組合せが良いでしょう。メンテナンスの事を考えても、綿などの自然素材が入った生地が最適です。
シャープスタイル
特徴
生地がたたまれる部分に、プラスチック製のバーが入っている物です。強制的にバーの部分でたたまれるので、たたみクセの付きにくい生地でも、いつもキレイにたたまれます。バーは生地の裏側に入っているので、目立たず、これもフラットスタイルと同様に、スッキリしています。
長所
- いつも同じ所できれいにたたまれるので、どんな生地でも使えます(レースは×)
- バーの効果で、ほど良いシャープ感とスッキリ感で、シャープモダンのテイストにマッチ
短所
- フラットスタイルに比べると重いので、耐久性が落ちる
- 大きい窓は上げ下げが大変
- 洗濯の時にはバーを全て抜かなければならないので、少し面倒
巾の狭い窓、ポリエステルでハリの強い生地などはこれが最適です。たたみあげた時にグチャグチャだとかっこ悪いですよね。値段はフラットスタイルの25~30%UPというところでしょうか。
バルーンギャザースタイル
特徴
バルーンの中では一番ポピュラーなタイプ。写真の様に下部にフリルを付けるのが一般的。ギャザーなので、一番下まで下ろすとカーテンの様に柔らかく華やかな印象です。ただ、しなやかな生地でないと綺麗に仕上らないので、注意が必要です。
長所
- 他のシェードは、一番下まで降ろすとまっ平になってしまい、無機質な感じになりがちですが、これはカーテンの様にヒダがあるので、一番下まで降ろしても綺麗です
短所
- 使える生地はかなり限定されます
このシェードは、見栄えの丁度良い、取付可能な窓というのはかなり限定されるので、まずは専門家に相談して下さい。価格はフラットスタイルの約50UPですが、生地も2倍以上使うので、実際はもう少し割高になります。
夜、部屋の電気をつけた時にガラス越しの外を見ようとすると、ガラスに光が反射して外が見え辛い事ってありますよね?昼間は外が良く見えたのに・・・。実はコレが“レースをすると部屋の中から外が見えるのに外から中が見えない”と同じ原理なのです。
透けにくいレースとは?
うは“反射”なんです。ですから多く反射するきめの細かい物は、透けにくいレースと言えます。柄が多い少ないで、透けにくさと言うのは判断できません。
例えば、花柄の織のレースは、柄の部分を引き立てるために柄の無い部分の糸を間引いたりします。ですから、柄を入れたばっかりに、外から透けやすくなってしまう事もあります。
ミラーレースについて
最近増えてきた ミラーレース。UV(紫外線)をカットする為に、裏側がキラキラと銀色に光るレースです。コレは特別多く光を反射するので、特に透けにくい物です。また、夏場の冷房効率なんかも若干高まるので、正しく使えば便利な物です。
しかし欠点もあります。
- ごわごわして、きれいなヒダが出にくい
- 中から外も見えづらいので、圧迫感が出る
- 少し暗くなる
ですから、透けづらいからといってむやみに使わない方が良いと思います。どっちみち昼間は他のレースでも透けないですし、夜はどんなレースでもすけてしまいますし・・・。
ただし、光の当たりづらい窓にはお勧めです。先ほど言ったように、レースは光が当たることによって反射でその先が見えなくなる原理ですから、光が当たらないと役目を果たさないんですね。
マンションの北側の窓(廊下に面した窓)には最適です!一日中、ほぼ直射日光はあたらないですから。たいていはスリガラスでしょうから、窓を開けたときに目隠しをしたいですよね。普通のレースではあまり目隠しになりません。
レースの色
レースの色は通常、ホワイト・アイボリー・ベージュの3色があります。その他のカラーレースは、ここでは別にします。一番ナチュラルな色はアイボリーで、ほとんどの部屋はコレが合います。
ホワイトは、ナチュラルな色の糸を“蛍光増白剤”という物で漂白した物です。光の加減によっては青っぽく見えますので、今はあまり好まれなくなりました。漆喰などの塗り壁や、真っ白の壁以外は合わせづらいでしょう。
ベージュは落ち着いた感じになります。多少暗く感じる場合もありますが、壁がベージュの時やクラシカルな家具には良く合います。特にアンティークには一番合います。
グリーンやブルーなどのカラーレースは、やはり暗く感じてしまいます。レースの一枚吊りの場所には良いですが、ドレープとの二枚釣りに使うときは“暗くなる”ということもふまえて、よく考えましょう。
プリントレース
花柄などのプリントレースは、使い方によってはとても面白く、オシャレになります。デメリットとしては、やはり柄によっては少し暗くなってしまう事と、レースにしては値段が高めな事です。
せっかくの柄物のレースですから、昼間だけでなく夜も楽しめるように、カーテンを外側に、レースを部屋側に、通常とは逆に掛ける事もお勧めです。その場合、ドレープカーテンはアイボリーなどの無地が良いでしょう。夜もレースの柄を楽しめるし、レースの持つ少しの光沢感が独特の風陰気を作り出します。また、レースにコストをかけた分、ドレープカーテンが安く済むので、結果的に標準的な値段で収まるのも魅力です。
寿命について
レースは常に直射日光にさらされている分、ドレープカーテンに比べて寿命は短くなります。日当たりの良い場所ほど寿命は短くなり、極端に日当たりの良い場所だと、3年ほどで黒ずんでしまったケースもあります。
10年位レースを使って洗濯しても黒ずみがとれない事ってありますよね。洗っても落ちない黒ずみは日焼けによって汚れが定着してしまったり、ポリエステルの繊維その物が劣化してしまった物です。交換するしか方法がありません。カーテンとレースを一緒に交換する方も多いと思いますが、レースの寿命はカーテンの半分くらいなので、カーテンを1回交換する間にレースを2、3回交換するのが理想です。いつもきれいなレースで、昼間の部屋を明るく保ちましょう!
レースを選ぶ時には色、柄というレースその物を楽しむというのもありますが、“光をコントロールする”という考え方もあります。レースによって差し込む光が変わるので、部屋全体の風陰気も変わります。その事も十分考慮して選んでください。